MIT あれこれ


→ ラボレポート
→ Harvard あれこれ
→ ボストンあれこれ

History マサチューセッツ工科大学は、1861年自然学者William Barton Rogersによって創立された。初めはボストンのCoply Squareにあったが、大学の成長とともに敷地が狭くなり、1916年に現在のCambridgeに移転した。知識の実用化を大学設立の第一目的として設立されたため、現在は伝統のあるエンジニアリングの8つの学部に加え、物理、数学、化学、生物学などの基礎科学の学部を中核とし、経済学、政治学、演劇や音楽、言語学などの人文科学を抱える総合大学として発展している。MIT出身のノーベル賞受賞者は31人を数える。

DATA 学生数 : 総計9,885人、大学生4,372人、大学院生5,513人
男女比率 : 大学生男子59%、女子41%、大学院生男子74%、女子26%
留学生 : 大学生8%、大学院生35%
総面積 : 146エーカー


C

Cafeterias こちらに来ての一番の心配は、なんといっても食事。なにしろ口に合わないと言うレベルではないシロモノが、至るところに転がっている。ひとさじ口に運んだだけで、もったいないという感覚をどこかへ押しやってでも、永久追放した食料のリストを見せたいくらいだ。そんな食生活の力強い味方が大学のCafeterias。構内にCoffee houseなどを入れて9カ所のCafeteriasがあるのだが、うれしいことに夜11時まで営業しているものもある。Coffee Houseに至ってはなんと日本のコンビニ状態で、24時間営業。そして究めつけは日曜も開いているというところ。どうしようもないとき(?)、地下鉄で40分かけてでも大学に行くと食べ物にありつけるのはありがたい。

H

Hacking MITの卒業記念のいたずらはつとに有名である。今年のいたずらは、ロジャース・ビルディングのシンボルのドームが、今日本でも話題のスターウォーズに登場するR2D2の頭に瓜二つであることから、色の着いた布を使ってドームをR2D2にしてしまったものだった。また、過去の最高傑作とされるものは1994年のもので、ドームのてっぺんでパトカーが一台、今にも走り出しそうに赤と青のライトを点滅させており、中には警官が一人乗っていて、コーヒーカップとドーナッツを手にして、同僚の夜勤明けを待機しているというもの。すべてベニヤでの作り物だったけれど、MIT警察だけでなくケンブリッジ警察も出動し、ヘリコプターも動員しての大がかりな撤去作業となった。このパトカーは現在もMIT博物館に展示されている。また、その他にも、郊外のステーキレストランから失敬された宣伝用のグラスファイバー製はりぼての立派な牛が、ドームの上でゆうゆうと草をはんでいたこともあったし、大学の創立百周年には、丸いドームをバースデーケーキに見立てて巨大なロウソクが大ドームを飾っている。

Home Page 週ごとに更新されるMITの公式ホームページ。その表紙のデザインが毎回趣向を凝らしたものになっていて、必見です。こちら。また、ウェブ上でMIT構内を歩き回れる「MIT Virtual Tour」も是非一度ご覧ください。こちら

M

MIT学派 現在のクリントン政権には、MIT学派と呼ばれる経済学者をはじめ、かつてMITで学んだり教えたりしていた人々がおよそ40人ほど参加している。すべてを市場に委ねる自由主義経済ではなく、一定程度の政府の役割を積極的に認めるのが、MIT学派の特徴だが、ローラ・タイソン女史を委員長とする大統領経済諮問委員会メンバーすべてがMITの博士号を持っているというのも驚きだ。しかし、その徹底した政策によって、クリントン政権誕生以来、アメリカは劇的な経済成長をとげている。また、サマーズ財務次官、ライシュ労働次官、カッツ労働省主席エコノミストもMIT出身である。

MITと日本人 日本人の正教授は、現在6人が活躍中。MITに長い順に、船舶の溶接理論の大家・増淵興一教授、高分子物理学・田中豊一教授、有機合成化学・正宗悟教授、脳科学・利根川進教授、ロボット工学・浅田春男教授、言語学・宮川茂教授。また、OB会に名を連ねるのは、120年前の最初の留学生(1878年卒業)団琢磨氏(三井合名理事長)をはじめとして、キヤノン前社長・御手洗肇氏、宇宙工学・斎藤成文教授、天文学・小田稔教授、ソニー・菊池誠氏、NEC・加藤康雄氏、経済評論家・大前研一氏などがいる。

S

Safety Ride ボストンはアメリカの都市の中でも比較的安全な街として知られている。しかし、そこはアメリカ、やばいところはやっぱりやばいのである。MITでは、学生や研究者が安心して夜の時間を気にすることなく大学にいることができるように、午後6時からBoston市内とCambridge市内(MITのある街)に向かう人を、無料で送っていく制度がある。それが「Safety Ride」。ほぼ30分おきにワゴン車の3、4台で運送しているのだが、このシステム、なんと最終便が午前4時なのだ。確かに、制度の趣旨からすると分からないでもないが、その時間に乗る人ってどのくらいいるのだろう。といって、僕のBrookline市への便は無いので、確かめる気はないが。


最終更新日:2000年 2月 4日