5月21日 五十音表の配列・・・先日の「geoboard」で、五十音表の配列について外国人に説明していたら、その場にいた日本人の方がむしろ驚いていたという話を書いたが、その後何人かの方からもっと詳しく教えて欲しいというメールをいただいたので、補足説明をいくつか。

  「あかさたな」、「あいうえお」という配列のもとになったのは、インドの古典語であるサンスクリットを表すデーヴァナーガリー文字(梵字)の配列であった。インドでは、このように音声を精密に分析する学問(悉曇学)が古くから発達しており、仏教にともなって日本にまで伝えられ、「ひらがな」が漢字を元にして作り出されるとすぐに、その配列にそって五十音表が作り出されている。五十音表というのは明治時代あたりに成立し、それまでは「いろは歌」が五十音表代わりだったと思っている人も多いが、そういうわけで五十音表の歴史は平安時代にまでさかのぼり、わずかながらいろは歌より前に成立している。

  さて実際の順番であるが、「あかさたなはまやらわ」という配列は、子音の調音点(音を出すところ)が口の奥にある音に始まり、しだいに前に行くように並べられている。「あ」は子音がなく、母音がそのまま声帯から出てくる音なので最初に置かれる。「か」は、母音の流れを邪魔する子音が、口の奥で息を破裂させることによって出される音である。舌と口蓋(口の天井)との間で息を摩擦する「さ」となると、調音点はだいぶ前に出てくるが、舌はまだ歯についてはいない。しかし、「た」になると舌は歯につく。「な」は調音点は「た」とまったく同じだが、声を鼻に抜く点だけが違う。さて、問題はつぎの「は」である。現代語のhaでは、調音点は一挙に奥に逆戻りしてしまうが、古代日本ではこの「は」行は「ふぁ」行だったと考えられていて、ローマ字で「ふ」を「fu」と書くのはその名残である。そして唇を完全に閉じて出す「ま」で調音点の移動は一通り終わる。残る「やらわ」は半母音として別扱いとなっているが、これまた奥から前へという順に並べられている。

  つぎに母音の並び方はというと、性質の似た「い」と「え」、「う」と「お」を交互に置き、そのいずれとも性質の異なる「あ」を先頭に置いて、一つ一つの違いが際立つように「あいうえお」と並べられている。

  アメリカに居て日本語の発音について考えているというのも、乙なものである。

5月15日 RとLの発音が苦手なわけ・・・日本人にとって苦手な英語の発音というと、よくRとLの区別がつかないことが挙げられるけれども、日本語の成り立ちから考えればそれも当然のようだ。日本人は、そもそもRとLを区別するどころか、ラ行を発音することを非常に苦手としていたのだから。その証拠に、手もとの国語辞典のラ行の項目を見てみると、漢字流入以前の日本語である「大和言葉」に、ラ行で始まる単語が見事にないことがわかると思う。そこに載っているのは、どれも漢語か外来語で、中国の南北朝の時代に、漢民族の国家であった南朝から日本に本格的に漢字が入ってきて以来、日本人にラ行で始まる単語を発音する習慣が出てきたようである。

  このラ行で始まる単語のないのは、北方のアルタイ語族の特徴と言われていて、これに属するモンゴル語や韓国・朝鮮語でもその傾向が見られる。例えば、「ノドン」と言えば今や誰でも一度は聞いたことがあると思うけれど、漢字で書けば「労働」で、ラ行を避けているし、「李」さんは朝鮮半島に多い名前だけれども、「り」さんではなく「い」さんである。

  中国から入ってきた漢字によって、日本語にラ行の発音が生まれたのだけれど、それでも日本人にはLは発音できてもRは発音できなかったようだ。中国語でLで始まる「来(lai)」「老(lao)」「了(liao)」といった漢字は、今でも原音を留める発音を我々はしているけれども、Rで始まる「人(ren)」「日(ri)」「容(rong)」といった漢字は、すっかりラ行ではない単語になっている。もっとも中国語の発音記号(ピンイン表記)の「r」は英語の「r」の発音とはちょっと違っていて、「ジュ」にかなり近い発音だそうで、そう言われてみれば、人を「じん」日を「じつ」と読むのはその名残りかもしれない。ちなみに、日本のことを「ジャパン」というのは中国語の発音が起源と言われている。

3月7日 アメリカ大統領選挙・・・アメリカの大統領は4年ごとに行われる選挙によって決められる。この選挙は、民主党(現在の与党)、共和党、およびその他の党(改革党など)の指名を獲得する「予備選・党員集会」と「本選挙」の2段階の関門が設けられている。

  まず立候補者は、1月から6月まで各州で各党ごとに開かれる予備選や党員集会で代議員の獲得競争をする。予備選というのは州の各党有権者投票によって候補者を決めるもので、党員集会というのは話し合いで候補者を絞り込んでいくというもの。今回の大統領選の代議員数は、民主党4334人、共和党2065人となっており、過半数を獲得した候補が全国党大会で正式に指名される。この予備選に全米統一の制度はなく、予備選と党員集会のどちらの方法で大統領を選ぶかを含めて、州ごとに歴史的な見地などから州法で決められている。さらに、予備選はそれぞれの党の規則に従って行われるので、はっきり言って理解するのはきわめて困難である。たとえば、民主党には全国規則があり、期間は3月の第1火曜日から6月の第2火曜日と決められている(一部例外の州もある)ため、どの州もほとんど態勢が決まってから投票するのではおもしろくないので、初日である今日に投票日が集中し、「スーパーチューズデー」と騒がれることになる(ちなみに今日投票があったのは16州)。また、州の代議員数は候補者の得票数に応じて比例配分し、代議員の男女は同数と定めている。一方の共和党にはこうした規則はなく、各州の党組織に任せている。たとえば、州によっては得票数1位の候補が全代議員を獲得することが出来たりする(代議員の最も多いカリフォルニア州など)。さらに、ニューハンプシャー州では州法で「他の州より先に行う」と決めているため、秋葉原の安売り競争よろしく一番早い州の前の州に行うことになっている。というわけで、ニューハンプシャー州では今年も全米のトップを切って、2月1日に予備選が行われている(大統領選としては1月にオハイオ州で行われた党員集会が最初)。

  予備選は、言ってみれば政党の選挙なのだが、州が名簿を作り市町村が選挙管理に当たる。州によって多少の違いはあるが、だいたい1000ドルを払えば候補者になることが出来る。テレビを見ているとそれぞれの党には候補者が2人ずつしかいないような錯覚を覚えるが、最初に予備選が行われたニューハンプシャー州では、民主党は16人、共和党は14人の候補者が挙げられている。また、アメリカでは日本のように選管から投票所入場整理券が郵送されるようなことはないので、自分で有権者登録を行って投票をする。たいてい18歳になるか、他州から引っ越したときに有権者登録を行い、民主党、共和党、無党派(無所属)の一つを選ぶことになる(もちろん、州によってそれぞれ異なるけれど)。共和党の場合は、16州で無党派も投票できることにしているため、組織票もお金も十分とは言えないマケインが2番手の候補になるなんていうことが起きたりするのである。

  予備選・党員集会の大勢が決まるのは、なんと大統領選が始まったばかりともいえる今月中旬になる見込みだが、この第一関門を通過すると、次は全国党大会で大統領候補として正式に指名されることになる。この全国党大会は、共和党が7月末にフィラデルフィアで、民主党が8月中旬にロサンゼルスで開催され、このときは副大統領候補に誰が指名されるかが大きな焦点となる。

  そしていよいよ選挙戦の本番となるのが、本選挙である11月7日の一般投票。この一般投票は、大統領を選ぶ大統領選挙人を一般有権者の投票によって選出する間接選挙である。選挙人の数は各州とも上下両院の議員数の合計と決められていて、最も多いのはカリフォルニア州の54人。一般投票の結果は州ごとに集計され、一般有権者の得票数1位の候補がその州の選挙人全員を獲得することが出来るという「勝者独占方式」を採用しているため、選挙人の多いカリフォルニア州、ニューヨーク州(33人)、テキサス州(32人)を勝利した候補が断然有利となる。最終的には、計538人の選挙人の過半数を獲得した候補が次期大統領になる。

  形式としては、12月18日に選挙人による投票が行われ、来年1月20日にアメリカの第43代の大統領が就任する。

1月30日 竜の子・・・今年は辰年。アメリカでもChinese Americanの地位が確立していることもあって、今年が「Year of Dragon」であることはよく知られているようで、贔屓(ひいき)にしている街の本屋にも竜の絵が飾られている。ちなみに、十二支のことを英語では「Chinese Zodiac」という。さて、この竜は子宝の象徴として知られていて、古より9匹の子がいると伝えられてきた。その仔竜たちはついには竜になることがなかったのだけれど、それぞれに個性豊かで、言い伝えにちなんで今でもここかしこで目にすることが出来る。屋根の上で飾り物になっている仔竜は、すぐに高いところに登りたがる子。釣鐘の上で体を曲げ鐘をつるす金具になった仔竜は、吠えるのが好きな子。食いしん坊の仔竜は、料理に使う鼎のふたになっている。また、人を威嚇する力を持った仔竜は刑務所の門柱になっているし、なんでも閉じ込めたがる仔竜は、門の金具になっている。剣の飾り物に見られる仔竜は、殺生が好きなやんちゃもので、もう一匹の火遊びの好きなやんちゃ仔竜は、香炉のふたのつまみになった。そして、残るもう一匹の子は、亀のような甲羅を持ったとても竜には見えないずんぐり仔竜で、生まれつき重い荷物を背負うのが好きだという変わり種。今では石碑の台座になっている姿を見ることが出来る。これだけの個性豊かな仔竜たちのなかで、親の竜が一番かわいがった子は、ひたすらに重荷を背負う仔竜だった。その仔竜の名こそまさに「贔屓」である。

11月21日 七面鳥・・・1年の最後の3カ月は七面鳥の季節。感謝祭とクリスマスデーの堂々たる主役である。ところで、北米産の七面鳥がなぜturkeyと言われるのかといえば、よく似たホロホロ鳥がトルコ鶏(Turkey cock)という名で呼ばれていたのが、流用されたということらしい。また感謝祭では、食卓に上った七面鳥から取り出された鎖骨を引っ張り合う光景が家庭で見られるが、これは、乾かした鎖骨の両端を2人の人間が願いを込めた後引っ張って割り、大きい方を取った者の願いがかなうという迷信によっている。英語で鎖骨のことを「wishbone(願い骨)」と言うゆえんでもある。しかし、もともとの迷信は鶏の鎖骨であるので、引っ張るのは鶏の鎖骨に限るという頑固者もいるようで。それはさておき、映画や演劇の駄作、失敗作がturkeyと言われる一方、ボーリングの3回連続ストライクもturkeyと呼ばれるなど、アメリカでは最も親しまれている鳥である。

10月29日 ハロウィーン・・・現在、カナダとアメリカで10月31日の行事として定着しているこの祭りは、紀元前5世紀のアイルランドにその起源をたどることができる。当時、アイルランド在住のケルト人にとって10月31日は夏の終わりで、夏の収穫を祝うと同時に、肉体を離れた霊がとりつきに来る日とされていて、巨大なかがり火を焚いて追い払ったり、怖い仮装をした大人が、騒音を立てて外を練り歩いたりした。やがて、この風習がキリスト教と結びつき、翌日の11月1日にあたるAll Hallows' Day(すべての聖人の日、万聖節)の前夜(イヴEveningを略してE'en)ということから「All Hallows E'en→Halloween」となったそうだ。そしてこの風習がやがて仮装といたずらの祭りとなり、1849年に起こったアイルランドのじゃがいも飢饉の際に移民たちがアメリカに持ち込んだ。このとき、もともと蕪で作った魔除けのjack-o'-lanternという提灯が、アメリカではなぜかカボチャに。なぜ蕪の提灯が魔除けになるかというと、ジャックという男が悪魔に嫌われ、死後天国と地獄の間を蕪の中身を食べて作った提灯をさげて永劫にさまようという伝説から。また、もうひとつのハロウィーンの大きな行事は、子供たちが近所を回ってキャンデーをもらい歩くこと。これは、キリスト教において11月2日に行われていたAll Souls' Day(万霊祭)で、村々を練り歩いてsoul cakeと呼ばれる菓子をもらい、くれた者の家から出た死者のために祈りを捧げたことにもとづいているようである。

9月26日 The Ryder Cup・・・アメリカとヨーロッパのゴルファーが、それぞれの名誉と威信をかけて2年に1度激突するチーム戦。今年はボストンの隣のブルックライン市(僕が住んでいる街)にあるザ・カントリー・クラブを舞台に開催された。それぞれ12名のゴルファーが選ばれ、無報酬で熱戦が繰り広げられるこの大会は、いわばゴルフのオールスター戦。1927年にイギリスとアメリカの対抗戦として始まったが、1979年からヨーロッパ選抜チームとの対抗戦となった。今年はウッズ、オメーラ、スチュワートなど世界ランキング10位以内に実に7人ものゴルファーを擁するアメリカの史上最強メンバーに対して、ヨーロッパチームはオラサバル、ウェストウッド、モンゴメリーに加えて、今や世界中でウッズをもしのぐ人気を誇る19歳の新鋭セルジオ・ガルシアがメンバーとして出場した。マイケル・ジョーダンやブッシュ前大統領なども一般のギャラリーに混じって観戦していたけれど、ゴルフの試合で有名人が見つかるのも珍しいんじゃないだろうか。また、チーム戦とあって、ヨーロッパチームが失敗しようものならものすごい拍手が起こるという、普段のゴルフの試合では考えられないような光景も。結果はギャラリーの後押しを受けたアメリカが、劇的な逆転勝利をおさめた。

9月6日 Back to school!・・・アメリカでは夏の終わりが新学年の始まり。このフレーズは「さあ、新学年だ!」というかけ言葉で、8月に入ると日本のお中元セールさながらに「back to school sale」があちこちで見かけられる。ちなみに新学年が始まるのは、9月の第1月曜日の次の火曜日から。この第1月曜日が「Labor Day(勤労者の日)」で、長い夏休みの後に、おまけのように月曜日が祝日になっているのがミソ。それが今日で、この週末はLabor Day Weekendと呼ばれている。

8月1日 Stick it up !・・・日本でよく知られている「ホールドアップ」はすでに死語。警察官なら「Get your hands in the air !」「Hands up !」「Freeze !」と言うし、強盗なら「Stick it up !」。いずれにしてもそう言われたら、騒がず動かず、言われたとおりにすること。仮定法過去完了やら複合関係代名詞やらの文法の知識は、安全にアメリカで暮らす知識とはならない。海外に旅行する日本人が爆発的に増えているというのに、学校では依然として、日常会話も含めて自分の身を守るために必要な英語、つまり英語という「言葉」を教えられることはないようだ。アメリカで暮らし始めて2カ月。自分の英語力のなさをおもいっきり棚に上げての発言だが。

6月27日 Good-bye・・・この言葉はGood morning.やGood afternoon.の系列の言葉かというと、そうではなく、GoodはGod(神)、byeはbe with you/ye(あなた/そなたと一緒に)から来ている、まるで語源の違うもの。まず、God be with ye/you.(神があなたといますように)という別れの言葉が、God bwye.などとつづられて、やがてGood-bye.に落ち着いたということだ。

6月26日 Jack・・・個人名だけでなく、ジャックナイフやジャッキ(jack)、ジャックハンマー(手持ち削岩機)など広く英語に溶け込んでいる名前。このもとをたどると、中世、当時Johnという名が男の名の代表だったが、そのJohnに指小語の-kinが付き、Johnkin(ジョンちゃん)という名が生まれ、これも人気を博し、やがてJackとなったと言われている。そこで、Johnの小型という意味合いから、助手というイメージで、道具の名にJackが使われている。

6月20日 Happy Father's Day・・・1910年に創案されたものの、アメリカ連邦議会で制定されたのは62年後の1972年。ちなみに母の日は1914年に制定されているが、これだけ制定が遅れたのは、当時男性ばかりの議会で通せば、男性の自画自賛だという批判を恐れていたからだそうだ。創案者はDodd夫人。教会で母の日の説教を聞いているとき、自分たちを男手ひとつで育ててくれた亡き父の姿を重い浮かべて提唱した。Dodd夫人は父の日を亡き父の誕生日である6月5日でと提案したが、教会側の説教の準備が間に合わず(キリスト教において「父」をテーマにすることはむずかしい)、2週間後の6月19日の日曜日まで延期された。それ以後、6月第3日曜が父の日として定着している。

4月25日 新約聖書・・・キリスト教のよりどころ、「新約聖書」はもともとギリシア語で書かれた。しかし、ユダヤ教世界の中から登場したイエスの喋る言葉は、ユダヤ教の教典である旧約聖書を記したヘブライ語でも、当時パレスティナ地方を支配するローマ帝国の言葉であるラテン語でも、新約のギリシア語でもなく、セム系のアラム語であった。おまけにイエスや十二人の使徒は読み書きが出来なかったために、使徒たちを中心とするエルサレム教会のアラム語派によって、イエスの生涯の伝承が語り継がれていた。そして紀元60年ころ(イエスの死から30年後)、最初の福音書である「マルコ福音書」を書いたヘレニスト(ギリシア派)のマルコは、イエスの生涯の伝承を明確な言葉で記述しようとして、当時にあってもっとも広く使用される国際語であったギリシア語を用いて書いた。その際、ユダヤ人の言語であるヘブライ語ではメシアと呼ばれる救世主を、キリストというギリシア語に翻訳し、今に至っている。以来、ほかの福音書の新約聖書の諸文書がすべてギリシア語で書かれている。

4月22日 自転車にヘルメット・・・オーストラリアでは、オートバイはもちろんのこと、自転車に乗るときにもヘルメットの着用を義務づけている。しかも、違反すれば罰金徴収。おかげで、オーストラリアは他の国に比べて自転車に乗っている人が少ないとか。ちなみに、アメリカのカリフォルニア州では、つい最近までオートバイのヘルメット着用が義務づけられていなかったが、住民投票により僅差でヘルメット着用が義務づけられた。また、ハワイではオートバイに乗る際のヘルメットは本人の自由。

4月20日 面積の小さい市ベスト10・・・1蕨市(埼玉)・2鳩ヶ谷市(埼玉)・3狛江市(東京)・4田無市(東京)・5上福岡市(埼玉)・6向日市(京都)・7国立市(東京)・8与野市(埼玉)・9藤井寺市(大阪)・10保谷市(東京)

4月19日 面積の大きい市ベスト10・・・1いわき市(福島)・2札幌市(北海道)・3芦別市(北海道)・4夕張市(北海道)・5稚内市(北海道)・6旭川市(北海道)・7福島市(福島)・8広島市(広島)・9仙台市(宮城)・10郡山市(福島)

4月18日 世界の七不思議・・・ついに日本人の英語ベタが「七不思議」の一つとして数えられるようになった(4月15日・毎日新聞夕刊)。英語能力検定試験(TOEFL)の平均点がワースト1位(世界180位)の面目躍如?といったところか。中学、高校、さらに大学で長い人で10年も英語を習うのにこのていたらく。どう考えても教育方法が悪い(決して自分が話せない責任をなすりつけているのではない)。ゆとり教育も良いけれど、早く明治以来の英語教育にメスを入れてください-->有馬文部大臣様。

4月17日 夜間運転のスピードの出し過ぎ・・・4月8日号の「Nature」に掲載されたマックス・プランク研究所の報告によると、ヒトの視覚は暗闇での動きの知覚が悪くなるらしい。つまり、ヒトの視覚には網膜にある4種類の受容器が関わっているが、そのうち3種類は色を感じる錐体細胞であるため、暗くなるとこれらは役に立たず、そのため夜の世界はモノクロに見える。そして、明暗受容器であるもうひとつの桿体細胞が暗闇では唯一の頼りとなるが、動いている物体を桿体だけで感じ取ると、スローモーションで動くように見えることがわかった。そのため、夜間に車を運転した場合車のヘッドライトは前方の領域を照らすため、ドライバーは前方の道を色つきで見ているが、視野の両脇は暗闇であるから、桿体が捕らえる動きの速度が遅く感じられ、これがひいては速度の出し過ぎにつながる可能性があると指摘されている。

4月14日 cdmaOne(シィーディーエムエーワン)・・・第二電電(DDI)と日本移動通信(IDO)が今日から全国展開する新型携帯電話。従来のデジタル携帯電話はNTT移動通信網(ドコモ)が開発した方式を使っていたが、新型携帯電話は米国クアルコム社の開発した方式を採用している。三つの基地局の電波を並行して受信し、ビルなどで反射した電波も有効活用することから相対的に電波が強くて途切れにくく、音質も良い。このため、データ通信にも優れており秋以降にさらに高速化する予定。さらに日本独自だったドコモ方式と違い、世界36ヶ国で同じ技術が採用されているため、改良された電話機を使えば、同じ電話機を海外で使うことも可能。

4月11日 あゆ・・・冬の間河口付近の海で育ち、夏になると川を上ってくる1年魚。秋になると川を下りはじめ河口付近で産卵する。最近全国で盛んに行われている鮎の放流に使われている稚魚は、琵琶湖産のもの。琵琶湖産の鮎は、10万年ほど前に淀川を上ったきり琵琶湖に居ついてしまったもので、琵琶湖の鮎は川を下る習性がない。放流された琵琶湖産の鮎も秋になると川を下って産卵をするが、孵化した稚魚に川を上る習性がないことが、最近の遺伝子による研究から明らかにされている。現在、放流された鮎(琵琶湖産は全国で50%を占める)と天然の鮎(地元系)との生態系の影響に関心が集まっている。

4月10日 野球・・・「この球こそこの遊戯の中心となる者にして球の行く処即ち遊戯の中心なり。球は常に動く故に遊戯の中心も常に動く」と、明治29年に俳人・正岡子規によって紹介された野球。ここで挙げられた漢字の「球」は、「王」と「求」に分解できる。さらに「王」をばらせば「一」が横に三本重なり、これを縦に「|」が結びつけている。横の「一」はそれぞれ天と地と人を表し、それを縦につなげることで、宇宙になる。「天の時、地の利、人の運」というが、野球はまさにこの三拍子がそろえば勝利できることを、観客に教え続けている。とは、「野球ふしぎ発見!」(毎日新聞社)での鳥居守幸・帝京平成大学教授の弁。ちなみに「求」の字は「無から有をつくること」という意味がある。

4月9日 ・・・まわりの空気を摂氏30,000度にまで一瞬にして上げるため、木に直撃すると木の水分をすぐさま蒸発させ、破壊する。

4月8日 サマータイム制・・・世界70ヶ国以上で採用され、日本でも1948年から4年間だけ導入されたことがある。先進29ヶ国で構成する経済協力開発機構(OECD)の中で導入していないのは、白夜で必要のないアイスランドを除けば、日本と韓国だけである。

4月7日 マッコウクジラ・・・マッコウクジラは3,000mの深海の生物を食べている。そこで最近の深海研究では、マッコウクジラの胃を調べるという調査が進んでいる。また、マッコウクジラの皮膚にはダイオウイカ(全長10mもあるイカ)の吸盤の跡があることや、胃の中の調査でダイオウイカを1日1杯以上食べていると考えられることから、希少種と考えられていたダイオウイカは深海に生息し、その数はマッコウクジラの数百倍、約5億杯以上いることが推測されている。

4月6日 松下村塾・・・イギリス人によって注目されるまで歴史に埋もれていた、吉田松蔭の私塾。塾生に伊藤博文や桂小五郎などがいる。この私塾は、世界に紹介されるやいなや大きなショックを教育界にもたらした。なにしろ、罪人である松蔭がわずか1年あまりの講義をしただけで、一握りの若人に猛烈なやる気を起こさせ、わずかな被害で日本の近代化が成功したのだから。イギリスの教育学者、ウィリアム・アーサー・ワードの言葉。「凡庸な教師はただしゃべる。少しましな教師は理解させようと務める。優れた教師は自らやってみせる。本当に優れた教師は心に火をつける。」

3月13日 禅の奥義・・・アメリカ人の大学教授が京都の禅寺で高僧に「禅の奥義」を尋ねた。僧は質問に答えずに、茶を立てて教授の茶碗になみなみと注ぎ込み、茶があふれてもなお注ぎ続けた。そして不思議がる教授に一喝してこう答えた。「茶碗がいっぱいになったら、どんなに試みても茶を入れることはできない。あなたの頭の中は今ちょうどこのような状態である。もう既にいろいろな知識が詰まっている。私がどんな話をしようと、きっと頭の中に入らないだろう。人から教わりたければ、頭を空っぽにしてから来なさい。」先入観や生半可な知識を戒め、心を開いて知識を求めることの大切さを説いた逸話だが、これはアメリカでの経営セミナーなどで紹介されているのだそうだ。もうすぐ4月。いっさいをかなぐり捨てる勇気をもつことこそ、ステップアップの秘訣なのかもしれない。大いに参考にしたいものだ。せっかく禅を身近に感じることの出来る境遇にいるのだから。(NHKラジオ「やさしいビジネス英語」を担当されている杉田敏さんのエッセイから)

3月7日 バービー人形・・・1959年3月9日、ニューヨークの国際おもちゃショーで誕生。今年40歳を迎える。ルース・ハンドラー夫人のアイデアで誕生したこの人形の見どころは、トップモードの衣装である。ハンドラー夫妻の設立したマテル社は、毎年100種類ほどの新しい衣装をデザインして製作し、いまや全米4位の大婦人服メーカーにのし上がっている。ちなみにミッキーマウスは1928年11月18日、ニューヨークで封切られた短編映画「蒸気船ウィリー」で誕生した。現在70歳。

2月28日 アジア・・・語源はギリシャ語のアッソス(ASSOS)で、トルコの半島アナトリアの突端にある地名に由来する。イスタンブールのボスポラス海峡から東側は、西洋的観点からは「アジア」とされ、トルコの彼方に「中国」があり、さらに遥か地の果て極東に「日本列島」が横たわっているというイメージ。そのため、こちらからすれば中近東の人々がとても同じ人種であるとは思えなくても、同じアジア人ということになる。

2月22日 佐藤さん・・・日本で最も多い名字(第一生命広報部調査)。平将門の乱を平定したことで知られる藤原秀郷の子孫にあたる藤原系の武士が名乗った名字。秀郷の五代目の子孫にあたる藤原公清、公脩の兄弟が、祖先の秀郷が下野国佐野庄(現在の栃木県佐野市)の領主であったことにちなんで「佐野」の「佐」と「藤原」の「藤」をあわせた「佐藤」を名字にした。公清の子孫からは、俗名を佐藤義清といった歌人、僧西行が、また公脩の系統からは源義経に仕えた佐藤継信、忠信の兄弟が出た。秀郷の流れをひく佐藤家の武士たちは、主に東北地方に根を張って成長した。宮城、秋田、山形、福島に住む人の実に6.5%が「佐藤」さんである。

2月21日 鈴木さん・・・日本で最も多い名字(「日本人の姓」佐久間英)。古くは「すすき」と読まれ、秋に稲を収穫して田に積んでおくありさまを指す言葉だった。山のように積んだ稲の中に一本の棒または竹を立てる。その木から神が下りてきて寝ている稲穂に稲魂をうえる。そのあとで稲魂を宿した稲を倉庫に入れて種籾にしていた。そのような神聖な木が「すすき」と呼ばれ、のちに稲穂を積んだものも「すすき」とされた。古代には稲穂を積んだありさまを「穂積」ともいった。熊野大社の神官は、古代豪族物部氏の同族の穂積氏であったが、彼らは中世に「穂積」が主に「すすき」と呼ばれるようになると「鈴木」を名字にした。そして、中世に熊野大社は各地に山伏を送って意欲的に布教した。熊野大社の分社をまつるようになった武士は、自分の名字を鈴木に改め支配下の農民に自分と同じ名字を与えた。ゆえに、「鈴木」の名字は熊野大社の末社の分布が濃い東海地方や関東地方に多い。

2月20日 神式の結婚式・・・神社で神主さんが結婚式を主宰するようになったのは、大正時代から。神主さんがキリスト教の式を見ていて、我々もああいうふうにしよう、ということになって広まったもの。神前で結婚式を挙げないようでは日本人じゃない、なんて息巻いているお父さん、お母さん。日本の伝統とは案外そんなもんです。

2月19日 アシャニンカ語・・・南米・ペルーの首都リマから東へ約400km、アンデス山中のチャンチャマヨ地方などに住む先住民族の使う言葉。かつてアンデス一帯に君臨したインカ帝国同様、文字を持たないのが特徴。そのアシャニンカ族が「私たちの言葉に合う文字を」と呼びかけ、いま日本の「カタカナ」が注目されている。アルファベットはインディオにとっては侵略者の言葉で、拒否反応が非常に強い。また、アシャニンカ語は発音が日本語に似ていて、「ナーカ(私)」「マロニー(皆さん)」など音引きが多く、カタカナがぴったりだそうだ。地球の裏側に日本製の文字があるのも乙なものかな。

2月18日 大阪企業化ミュージアム・・・大阪商工会議所が来年秋開設する。昭和に入って以降、インスタントラーメン、スーパー、プレハブ住宅、ターミナル型百貨店、運動用品専門店、エアテント、結婚情報サービス・・・と大阪を中心に関西は新しい産業を次々と生み出してきた。大阪が輩出した偉大な企業化の人物像や経営哲学、創意工夫、自助自立の気概などを紹介。高校生や大学生らを対象にベンチャー塾も開く。

2月9日 ヨルダン・ハシム王国・・・ヨルダン(ヘブライ語で「川を下る」という意味)のフセイン国王(63)が亡くなった。ハシム家は、イスラム教の預言者ムハンマド(マホメット)の娘ファーティマを祖とする中東屈指の名門である。1951年、ハシム家のアブドラ国王は孫のフセインと1人の護衛をつれて、エルサレムのモスクへ礼拝に出かけ、パレスチナ過激派に狙撃されて即死。孫も被弾したが、弾は胸にかけたメダルに跳ね返って助かった。祖父の後を受け継いだ父は病のために1年あまりで退き、孫のフセインが53年、17歳で即位した。以来46年。昨年10月、がんと闘いながら、中東和平合意に動いた。「私は髪をすべて失い、まゆさえもなくなった。しかし、将来に責任を負った我々は、何としても中東包括和平の夜明けを見なければならない」。その遺志を無駄にしないことを祈るばかりだ。

1月30日 「すばる」ファーストライト・・・国立天文台がハワイ島マウナケア山頂に建設した世界最大級の可視光・赤外線望遠鏡「すばる」の初観測(ファーストライト)が29日公表された。すばるの主鏡の口径は8.2メートルで1枚の鏡としては世界最大。その分解能は大気の影響のない状態で、角度で約0.01秒角。これは東京から富士山頂の5円玉の穴が見分けられ、月面では家ぐらいの大きさが識別できるという驚異的な性能である。ちなみに「すばる」とは、本来は牡牛座にあるプレヤデス星団の日本名で、「統べる星」、つまり勾玉(まがたま)を連ねた首飾りのように6つの星が集まっているところからつけられた。この世界最大級の望遠鏡「すばる」も世界の期待を統べる意味が込められている。

1月23日 冥王星・・・現在、国際天文学連合によって、冥王星を太陽系9番目の惑星から降格させるかどうかの分類見直しが進められている。冥王星は、火星の運河の観測で有名なアメリカの天文学者Percival Lowell(1855-1916)が、海王星の動きの乱れから海王星の外側に未知の惑星が存在すると考えたことから、その存在が示唆されていた。しかし、Lowellはその惑星Xを発見できないまま亡くなってしまった。そして14年後、弟子のTombaughがついに発見。師匠の頭文字「PL」にちなんでPLUTO(ラテン語)、すなわちローマ神話の冥界の支配者プルトンと名付けた。そしてこれを冥王星と訳したのは故・野尻抱影氏である。ちなみにプルトンはギリシア神話のハデス(Hades)にあたり、クロノスとレアの子で、ゼウスとは兄弟である。また、冥王星の衛星のカロンは、冥途の川の渡し守の名前。

1月20日 OL(オフィス・レディー)・・・アメリカ人には全く通じないことば。それもそのはず、週刊誌「女性自身」(光文社)が生んだ和製語である。「BG(ビジネス・ガール)では売春婦と間違われる」という陰口に応え、創刊間もない同誌はアンケートを行い、働く若い女性のことをOLと命名したのだそうだ。40年前のことである。

1月19日 「二十世紀のパリ」・・・「海底二万里」「八十日間世界一周」で有名なジュール・ベルヌが1863年に書いた空想未来小説。そこにはベルヌが予測した100年後の姿、つまり1960年代のパリが描かれている。自家用車が走り、電球により町中が明るいパリだが、大気汚染などの環境破壊や、便利な生活を満喫して幸せあるはずの人々の心に巣くう退廃。1960年のパリを実際に生きてきた人が、どんなにこの小説に驚いたか、想像に難くない。先の見えない現代。ベルヌなら100年後の世界を描いてくれたに違いない。

1月18日 政府委員制度・・・「その問題は重要でございますから、政府委員に答えさせます」と言いつつ、閣僚が官僚に代わって答弁してもらうお馴染の国会風景。でも、ようく考えたら何か変だ。あなた大臣でしょうが・・・。でも、こんな怒りを収めるべく、小沢一郎自由党党首の肝いりで次の国会からこの政府委員制度が廃止されることで自民党と合意した。ついでに2001年から政務次官を廃止し、各省庁に副大臣、政務官を新設することにもなりそうだ。・・・政治家のみなさん、よかったですね。国会での大臣の腕の見せ所がようやくできましたよ。やっと自分で考えて、自分の考えを堂々と述べられることになりましたね。派閥も年功序列も、もう関係なくなりますよ。答弁の出来ない大臣なんてかっこわるくて、引き受けられないですよね。

1月17日 ギロチン・・・このフランス革命時代に盛んに使われた断頭台の名前は、人名に由来する。国民議会に対し「断頭台を導入したらいかがでしょう」と提案したのがフランス人医師で議会のメンバーだったJ. I. Guillotine。その一言で、自分の名前が冷徹な断頭台の呼び名となって世界中に流布してしまったのだそうだ。ちょっとかわいそうな気もする。

1月16日 牛耳る・・・古代中国では、牛の耳には穴がないと思われていた。そこで人々は威儀を正し、我こそは牛の耳をとって耳の穴を開け、それによって神の言葉を聞こうと努力した。そのため、牛耳には霊力があると信じられた。人々が同盟を結ぶときには牛の左耳を裂き、血をすすって誓いあった。これが「牛耳を執る」、すなわち牛耳るである。牛耳を執る際のルールは、小国がはじめに牛耳をとり、大国が盟主となって同盟を結ぶというもの。ここから、現代の「団体や組織を支配し、思いのままに動かす」という意味が出てきたのだろう。

1月13日 そば・・・そばを食べるといえば、つるつると音をたてながら口に吸い込まれていく情景を思い出す。しかし、こうした食べ方は江戸時代に始まった食べ方で、それ以前はそばがきやそばまんじゅうにして食べていたそうだ。それゆえ、細長く伸ばして麺にした食べ方を「そば切り」と呼んで区別していた。その発祥の地は、江戸時代の元禄年間に著された随想録「塩尻」によれば、「甲州天目山栖雲寺」すなわち山梨県大和村。

1月12日 なぜ、馬が「あお」・・・「あお」の意味に「馬の総称」というのがある。芝居でも愛馬との別れに「あおよ」と呼びかけている。なぜ馬が「あお」なのか? 宮中で陰暦の正月七日、「白馬節会」(あおうまのせちえ)という行事があった。この日に馬を見て1年間の邪気を払うというもの。この「白馬」を「あおうま」と読むことから「あお」の解釈がいろいろ生まれている。「この行事に初めは青馬が、後に白馬が使われたからで、青はつやのある黒い毛色」「中国の青は芦毛」など、「青」は黒や少し色のついた白などさまざまな説がある。しかし「馬とあお」の関係は今一つわからない。さらに、「あおうま」は古代韓国語の「馬較べ」の意味で、「あお」は色と関係ないという説もある。最近では馬を青と呼ぶこと自体知る人が少なくなってきた。(カラープランナー・高田芙美子、毎日新聞より)

1月5日 平成不況とは・・・2億6700万人のアメリカ人のわずか1%にあたる270万人ぐらいが、日本の富全部に相当するアメリカ全体の富の40%を独占している。特に、飛び抜けた富を有するマイクロソフトのビル・ゲイツさん1人の資産は、貧しい順に下から1億人分の資産合計より多い。アメリカの好況が生み出すものは、こういう独り占め社会である。1200兆円もの預金残高をもつ人類史上最大の金持ち国日本の、「ぜいたくで豊かな不況」を脱した先に待ち受けているものは・・・。

12月26日 99年度一般会計予算政府案・・・過去最大の新規国債を31兆500億円も発行する。これによって99年度末の国と地方の長期債務残高は600兆円となり、利子負担が毎秒60万円以上になる。なんて、ばかなことを。未来からの借金である国債を、返済していくのは紛れもなく俺たちなんだぞ〜。

12月19日 クリスマスツリー・・・デズモンド・モリス氏曰く「起源はキリストとおよそ無関係で、崇拝の対象となっていたのはカシの巨木だった。人々は木に精霊が宿っていると信じ、秋になって木が葉を落とすと、精霊が木を見捨てていくように感じた。そこで精霊が戻るように冬のさなかに飾りをつけた。それがクリスマスツリーの飾りの起こり」

12月15日 「今、何年」・・・西暦1998年。平成10年。仏教暦2541年。ユダヤ暦5759年。キリストの誕生や復活の伝承を基に西暦が考えられたのは6世紀。修正を加えて現在の西暦が決められたのは1582年。たかだか、400年と少し前のこと。今が「世紀末」だと考えるのは、視野が狭いのかも。

12月11日 アウストラロピテクス・・・ラテン語のアウストラリス(南)とギリシャ語のピテコス(サル)を合成した言葉で「南のサル」の意味。

舞い上がったサル・・・「人間は動物である。私たちは自分のことを堕ちた天使と考えたがるが、実は舞い上がった猿なのである」とは英国の動物学者デズモンド・モリス氏の「舞い上がったサル」(飛鳥新社)より。

24K(カラット)の由来・・・宝石の質量の単位でおなじみのカラット(200mg)は、金の純度を表す単位としても使われます。御存知、純金は24カラットですが、なんとも中途半端なこの数字がどうも気になっていました。この24という数字は、その昔ギリシャで金を売買する際に、純度をカラット豆の数で表していたそうで、24個のカラット豆で純金1つが買えたのだそうです。ふむふむ。

12月10日 陶器と磁器の見分け方・・・粘土から作られる陶器と石を細かく粉砕して作られる磁器の見分け方は、たたいてみて鈍く低い音がすれば陶器で、金属的な高い音がすれば磁器、というのが基本型。新発見は、陶器は湿り気を帯びて底が汚れるけど、磁器は吸水性が無いので底が汚れない、そうな。ふむふむ。

12月9日 煙探知機・・・煙探知機には放射性同位体が使われていて、放射線の作る磁場を煙が乱すことによって電流を変化させ、ブザーが鳴るんだそうな。ふむふむ。

12月8日 ロン=ティボー国際コンクール2位全盲のピアニスト梯剛之さん・・・4大国際コンクールの一つでの快挙。インタビューに答えて「目が見えていたら、こんなにたくさんの人と手をつなげなかったでしょう。手を通して気持ちが通うんです。」感動。


最終更新日:2000年 5月 21日